コンシューマギャルゲーの売り上げが落ちた7つの理由(暫定)


細かい所は、データ纏めてからちゃんと練りたいですが、とりあえず、コンシューマギャルゲーが昔(90年代後半)よりも売れなくなった理由。

  • 数十万本クラスはギャルゲーマーだけが買ったとは思えず(他の売れ行きからも)、つまり普通のゲーマーが手を出した部分も大きい。
  • 売り上げの低下(98年初動1万越え38本、2万越え22本、02年初動1万越え15本、2万越え4本)。

この二点は被る部分もありながらも、精緻に見れば分けて考えた方がいいんじゃないかと思いますが、とりあえず。どちらにも通じる理由としては。


  • 1:家庭へのPCの普及
    • PC普及率は、98年から01年くらいに一気に伸びる(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6200.html
    • 自分用のPCがあれば(かつ18歳以上ならば)、CSギャルゲで「エロ」を求めていた人、またエルフやF&Cなどの「PC移植モノ」を求めていた人などにとっては、わざわざコンシューマのギャルゲを買う必要が無くなる。
      • つまり、コンシューマで美少女ゲームに強い興味持った人の、PCへの流入。コンシューマからすれば、その分(ただでさえ少ない)パイがより小さくなる。
  • 2:ちょっとしたストロベリ程度なら、普通のゲームで代替できるようになった
    • かつては一部RPGとかにちょっとあるかな程度だった恋愛描写やちょっとしたストロベリ描写が、FFシリーズとギャルゲーのヒットを契機に、普通のゲームでもかなり見られるようになった。
    • 別に恋愛をシミュレーションしたい訳でもなく、恋愛物語を読みたい訳でもなく、ただちょっとしたラブコメやストロベリをみたいという場合でも、選択肢が「ギャルゲー」以外に殆どなかったのが、今やRPGやらサモンナイトやらガストやら牧場物語やらで溢れかえってるからそっちで代用できる。
      • 道を作ったのは「FF8」とか、中身は殆どギャルゲーなのに約20万本売った「季節を抱きしめて」あたり(つまり98年くらい)なのかも。


つまり、濃いのを求めればPCに向かいやすくなった、軽いのを求めればRPGとかで代用できるようになった、ということ。コンシューマギャルゲーの優位性が失われたのです。
大は小を兼ねるではありませんが、PCでも軽い(エロが控え目、爽やか・さっぱり系の恋愛描写)の作品はあるので、ますますコンシューマギャルゲーに限定する意味がなくなる。恋愛描写が強いギャルゲー以外のゲームは、質が違うのであくまで例えですが、06年アルトネリコが99年サウザンドアームズの2倍くらい(約10万と約5万)売ってるように、ますます受け入れられている。(サウザンドアームズだってTVCM打ちまくったり、かなりプロモーションに力入れてたのにね)


あと他。現状メモレベルですが。

  • 3:ゲーム業界全体の落ち込み
  • 4:セガサターンが終焉を迎えた
    • 年齢制限アリのギャルゲ(半分エロゲ)の消滅
    • 後継となるドリームキャストは、セガが自社のサクラ大戦3ですら発表を渋っていたように、当初はギャルゲーに乗り気ではなかった(発売一年後くらいから徐々に増えてきますが、最初の半年間では「北へ。」一本のみ)
      • ……とはいえ、そのDC発売一年後は、もうすぐプレステ2が出るよという時期で、DCに手が出しにくい状況。
  • 5:ときメモ・剣乃・エルフの三代巨頭の翳りと、それを継ぐものの不在
    • サクラ大戦を除くと、PS・SS時代はときメモ・剣乃・エルフが、かなり大きな数字を出していました。しかし、98年〜99年頃。
      • その中からエルフは自主的に撤退。剣乃はエクソダスギルティーが低評価、ときメモ2は決してつまらなくはないけれど、期待以上のものという評価はされなかった。EVEブランドも、「EVE the Lost One」で信頼性を大きく損ねました。
    • そして、それを継ぐものが生まれなかった。「トゥハート」などが期待されていたのですが、ビジュアルノベルは(後述しますが)一般ゲーマーにはあまり受け入れられなかった。
  • 6:ビジュアルノベルブーム
    • ビジュアルノベルなんかゲームじゃない」と言われて久しいように、ゲーマー受けは悪い。
      • 文字読むの嫌い・小説嫌いという人をゲームシステムだけで排除している可能性はある。
    • 「話を楽しむ」以外の楽しみ方がないのも問題。もし話がつまらなくても、ときメモ系だったらシステムとか育成を、同級生系だったら攻略を楽しめる可能性はあるけど、ビジュアルノベルの場合はもう目も当てられない。
    • ギャルゲーをやることが主目的で、ゲームをやることが従目的であればともかく、「ゲームが主・ギャルゲー(であることは)従」であるゲーマー的には、ビジュアルノベルは受け入れられづらい。ゲームをやりたいのに、わざわざゲームっぽくないビジュアルノベルを選ぶ意味があまりない。
  • 7:新鮮味が消えた
    • ときメモ」から始まるギャルゲーは、殆どのコンシューマゲーマー(市場)にとっては未体験ゾーンでした。革新性があり画期的で、それが注目を集めた理由の一つでもあった。
      • プリンセスメーカーが再評価(つうか発見)されたことや、会話シミュレーターかのようなニュアンスで売り出したNOeLのヒットなど。
    • そもそも「恋愛をシミュレーションする」という考え方からして超画期的。
      • という新鮮味は、次第に飽和となり、ギャルゲーのパラダイムシフトが期待された「ときメモ2」が前作の二番煎じだったことによりパッタリと消えてしまう。