深夜アニメDVDは衝動買いが起こりづらいかもとか


言い換えるとこの記事は、「深夜アニメDVDを売ってる店が少ない理由」(こっちをタイトルにした方が良かったかも)。


現在の深夜アニメDVDが売れない最大の理由は「買う人がいないから」なんですけど、意外と言及されない所(小さい理由だけど)をつくと、「店が発注しない=店舗に置いてない」というのもちょっとあります。あくまでちょっとの要因だけど。てゆうかちょっとの要因だからか、深く言及している人を見かけないので、自分が言ってみる。
秋葉原などの特殊地域や、超大手量販店、アニメショップなどを除いた(そういうのを除いたお店のお話です)大抵の新品DVD取り扱い店においては、深夜アニメDVD(深夜アニメ限定のお話です)は殆ど発注すらされない。ご存知のとおり、DVDは基本的に返品不可な商品でして(とはいえ、このタイトルはオッケーとか、メーカーの気まぐれ(廉価版出たときとか)に幾らか返してもいいよとか、メーカー・問屋との関係でごにょごにょとかありますけど)、そして返品不可だからこそ、発注対象はかなり厳選されています。「1本」ですら取る必要が無いタイトルは山のようにあって、深夜アニメもその対象。特に劇場版ならともかく、連作が前提であるテレビアニメは、中途半端に途中の巻だけ売れ残ってしまったら絶望的です。
アニメに力を入れていない普通の店の、アニメに詳しくない普通の発注担当者にとっては、深夜アニメは基本的にスルー対象。発注する際の基準が、深夜アニメの場合、マイナス方面にしか存在していないことが大きな要因でしょう。つまり「視聴率」と「売り上げ実績」。TVドラマDVDですら、視聴率がかなり大きく左右し、10%以下だった作品が敬遠されるのに、わざわざ3%やそこらのアニメDVDを発注するチャレンジャーがどこにいるかという話です。
そして深夜アニメの売り上げ実績。ちょっと発注してみたけどてんでダメだった(あるいは取ったことすらない)、というのが普通のお店。ただ縦の比較もあって、例えば攻殻機動隊のような「先に発売された映画版(深夜アニメじゃない版)がそこそこ売れたもの」は、その売り上げ実績から比較的好印象になる場合も多い。(当るか外れるかはともかく)売り上げが多少は読めるという意味で。「知名度」なんかも、それに近い働きをするでしょう。
店舗に置いてないということは、それだけで(アニメ側から見ると)機会損失。その辺の新品DVD置いてる店あたりでは、機会すら与えられていないという現実になります。これはイコールで衝動買い可能性を減らし、さらに「連作」(次月には次巻が出る)というのが、後で買おうという姿勢を減衰させます。近場には置いてないので遠出した時に買おうと思っても、一ヶ月経てば次巻が出てる、出費が倍になるという、購買意欲を失わせるだけの材料がある。
つまるところ、深夜アニメDVDは、視聴率が低い・知名度が無い=売れないと思われる、実績がない=売り上げが担保されない・読めない、連作=扱いが非常にやっかい、というのが、秋葉原などの特殊地域や、超大手量販店、アニメショップなどを除いた大抵の新品DVD取り扱い店の心理面。そしてそれが、発注数・流通数・購買意欲の減衰スパイラルに繋がる可能性はあります。少なくとも、映画などに比べれば遥かに、「衝動買い」が起こりづらい。ふらっと立ち寄ったお店でふらっと買うといった、衝動買いが起こりづらいのです。だってその辺で売ってないんだから。なにせ売ってる店が限られているのだから。
もちろん、体勢を決するような大きなことではないですけど、こういう点から「衝動買い」では、映画DVDに比べれば弱いと思われます。