アニメの声と絵の関係と、CLANNADアフター3話の芽衣が超可愛いよね話


クラナドアフター3話の芽衣が可愛すぎます。


というのは、いちいち書き記さなくても皆さんご存知の絶対的事実でしょう。
などと主観と客観の境目をナチュラルに消失してしまうほどに、この度の芽衣の可愛さは超越級でありました。
こんな妹が欲しい……てゆうかもう、抱きしめたくなるほどだ……はっ、失礼しました。

さてくだらない前置きでお茶を濁したところで、この度の芽衣の可愛さの要因……となるのかどうか分かりませんが、私には、ここは「絵」と「声」が非常に相乗的な効果を示したように感じられました。演出とかアングル・構図とか、動きとか、そういうレベルではなく、もっと基本的な部分でです。そもそも「声」と「絵」はどの様な関係にあるのか


声と絵の関係

アニメの声(声優)について、これまで全く考えたことはなかったので、とりあえずそこから。
言葉は発音によってその言葉以外の意味を付与できます。
例えば「お兄ちゃん」という言葉は、ご存知の通り「兄」を指していますが、呼び方ひとつで、その「お兄ちゃん」という言葉以外の意味を与えられます。主に感情面など分かりやすいですね。(文字で記すにはどうにも限界があるのですが、とりあえずやってみますと)「お兄ちゃん!」と、末尾の「ちゃん」を吊り上げるように発音すれば、怒っていたり憤っていたりなどの感情的な意味が付与されます。「お兄ちゃん……」と、末尾が途切れる儚げな発音をすれば、落ち込んでいたり悩んでいたりといった感情的な意味を付与できます。同じ様に、「お兄〜ちゃん」「……お兄ちゃん」「お・に・い・ちゃ・ん」「お、お兄…ちゃん…」「……お兄ちゃん!」、これら言い方一つで、『お兄ちゃん』という言葉が生む意味以外に、発話者の感情(あるいは相手にそうと伝えたい・思わせたい感情)という意味を、そこに生み出すことが出来ています。


さて、この辺、アニメと現実とを比べると、アニメの方は非常にメリハリが強い――言い換えると、「統制が執れている」「コントロールされている」ように聞こえます。会話相手にもよりますが、現実の私たちは気まぐれな感情の動きを発話に簡単に乗せてしまう場合が多いのですが、アニメの発話はその辺がかなり統制されているように感じます。って、文字だと言い表しがたい……。


えっと、要すると、アニメは現実と違い、発話も全て、恣意的に選択された「意味のあるもの」として扱われているがゆえに、アニメキャラクターの声は、無駄に(発話に)「意味を乗せること」をしていない、と思われるのです。感情や意味を認識させる弁別特徴が、キャラによって基本的に一定であり(つまり喋り方の統一)、その上で必要な時にメリハリを効かせている。
例えば、渚なら自信なさげな喋り方、早苗さんなら相手を心配するようなor(&)包容力のあるような喋り方、みたいな、そのキャラクターのデフォルトな喋り方、というのを、視聴していると何となく感じると思います。これは、勿論脚本やキャラの性格などもありますが、声の出し方や息継ぎの仕方などで、その様に発話するようにしている(感情や意味を認識させる弁別特徴が、キャラによって基本的に一定)でもあるから、そういう特徴を視聴者側が感じるのでしょう。(というか、脚本や性格と相互に補強する関係なのかも)
そういうデフォルトがある上で、例えば渚なら、強く主張する場面は、まるでそれまでとは異なる力強い発話を見せるように、メリハリを効かせているわけです。


さて、その「声」に対しては、仮定的に声を単品で見れば、「絵」や「お話」が、メリハリが効いてる発話の文脈として機能していると言えるでしょう(逆も然りで)。渚なんかは、殆ど常に自信なさげな声なのですが、だからといって常に本当に自信がないのではなく、例えばその自信なさげな声質の中でも、前向きだったり、強い意志を持ってたり、またあるいは本当に自信なさげだったりします。その違いを明確にするのが、「お話」だったり、あるいは「絵」だったりという文脈なのです。


芽衣の話

その上で、今回の芽衣の話に戻ると、そこを上手くコントロールされてる感じがしました。
大概の場合においては、「声」と「絵」は、文脈として機能していて。その上一部(ラストとか)は、絵と声が離れてて(発話の仕方が絵(芽衣の絵)ほどではない感じ)。そして、そしてあの、我々の妹萌え正中線を真っ二つにぶった斬った、あのデートシーンなんかは、「声(発話の仕方)」は、多少の高揚を入れる程度で、聞いて分かるほどの脚色は無いのに、「絵」においては、やはり多少の高揚(大げさ)やデフォルメ表現を取り入れて、確信出来るほどではないけどそれとなく分かる脚色を表出している。

つまり、単純に、「声」と「絵」を完全一致にさしてないから本心が隠れてて(というか掴めなくて)萌えるよね、みたいな話。


で、いいのかな……。
よくないよなぁ……。
今回書き記さなかったけど、芽衣が、「あの」「その」「ねえ」みたいな繋ぎの言葉を殆ど発しないというのも、注目すべき点だと思うのです。
うーん。
つづく(かも)。